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コアスキルをチェック 能力開発の動機づけにも
成果主義の浸透とともに評価や賃金に対する不満足感も芽生え、自らの「市場価値」に関心が集まるが、往々にして独りよがりとなりがち。そんな中でコアスキルレベルチェックを通して適正年収を導くアセスメントがウケている。(株)市場価値測定研究所(東京都目黒区)が開発した「統合型市場価値測定プログラム」がそれで、健康面からマネジメント能力まで13領域の強み・弱みが浮き彫りになり、人材評価や社員教育に採用している大手企業もあるほどだ。
6割は年収がダウン?
独立行政法人・労働政策研究・研修機構の「働く意欲と雇用管理のあり方調査」は、処遇や評価に関する納得感、公平感を調べているが、「評価の賃金・賞与への反映に対する納得感」が3年前と比べて高まったとする回答は9.7%、低下したとの回答は29.9%という結果だ。調査対象企業の6割近くが成果型賃金制度を導入しており、同制度への「評価」とみていい。
また三井生命保険PMMサービス事業本部の「サラリーマンの生活見通し調査」では、会社に満足している・満足していない割合はほぼ半々。2人に1人近くが不満足派で、理由は半数以上が「給料・賞与が少ない」としている。
同調査では転職した場合の自分の市場価値(年収)についても調べているが、現行の年収平均653万円に対し、調査対象者が示した市場価値の平均額は709万円。ちなみに理想の年収(平均)1023万円からすると、現実感覚を働かせた判断とも言える。
しかし市場価値測定研究所の藤田聰社長は延べ10万人のデーターから「約6割が年収ダウン、現状維持は2〜3割、アップするのはせいぜい1、2割」と厳しい見方を披瀝する。同社の「統合型市場価値測定プログラム」誕生の契機にもなった実話を紹介しよう。
平成9年11月、創業100年の歴史を有する山一證券の自主廃業は衝撃的だったが、その前年から藤田社長は同證券社員の市場価値査定に携わっていた。約50人の社員と面接した結果、社内評価と査定結果の間に大きなギャップがあり、平均して年収が30%もダウンする始末だった。
強み・弱みを浮き彫り
こうしたギャップは同證券特有のものではないとみた藤田社長は、経営コンサルタントや企業の人事担当者などとプロジェクトを組み、完成させたのが「統合型市場価値測定プログラム」。
その簡易版テストで仕組みをみてみよう。
基本となるのがコアスキルレベルチェックテスト。ビジネスマンに共通して求められるビジネス基礎能力を「専門技能」「リーダーシップ力」「戦略策定力」「情報収集力」「提案折衝力」「創造性」「時間管理力」「ストレスマネジメント」「IT力(パソコン活用能力)」「語学力」の10分野に分け、その現状を評価するもの。
例えばリーダーシップ力では(1)まだ部下を持ったことがない、(2)少数だが部下を持ち彼らを指導する立場にある、(3)部下の能力を引き出すことができる・・・・・・といった質問を、アトランダムに質問表に配置し被験者が該当すると考える項目をチェック。終了後に市場価値測定表で各分野の係数を特定する。
測定表では(1)=1、(2)=1.4、(3)=1.5など係数が設定されており、(2)と(3)
をともにチェックした場合は、点数の低い(2)の係数を採用する。それぞれの係数を市場価値算定式に当てはめると、適正年収額がはじき出される。
企業で導入する正式な方式では、同社独自の「セブンレイヤーズ(7つの階層)」理論=図参照=に基づく市場価値測定テストも準備されている。
基礎能力分野のほか、「体力・健康維持管理能力」「潜在的能力(個性)」「意思力(理念・価値観)」を加えた13分野にわたる能力の現状を分析するもので、全230項目の設問を5段階で選択(総計1300点満点)。この合計点から導かれる個人係数を算定式に加え、より厳密な市場価値をはじき出す仕組み。
藤田社長によればトヨタ自動車、日立製作所、キリンビールなど、大手企業採用されているとのことだが、市場価値算定だけの利用ではなさそう。既にみたようにテストによる現状分析から能力の「強み・弱み」を把握し、キャリアデザインに結び付けられることから、能力開発の動機づけといった活用の仕方である。
成果型賃金制度に対する不満が生じつつあるなかで、従業員自身が市場価値を認識する“価値”は決して小さくないだろう。社員の刺激剤としても有効? |
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